この自粛期間、世界中のみなさんと同じくテレビの代わりにYoutubeばかり観ていました。
テレビ、ちゃんと映らないし。
最近は、「ニュース」か「レシピ」か「音楽」に関するものばかりです。
あとは、違法かもしれないけど・・radikoが海外では聴けないのでYoutubeにあがっているANN(三四郎がお気に入り)はお皿洗い中のお供。
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●Youtubeが今までの当たり前を壊す
Youtubeは今、間違いなく新しい文化を作っていると思います。
色々な枠をぶっ壊していっている。
というか、コロナ禍が追い風になって10年くらい大股でスキップした感じ。
観ている分には面白いけれど・・当事者にはたまんないようで。
こちらの動画、テレ東NEWSのわかりやすい解説でお馴染み・豊島さんがファシリテーターを務めて、テレビ業界やゲーム業界の方などと現状と今後について語り合った生配信番組。
フジテレビの人まで参加していてぶっちゃけ話が飛び交う、今の状況じゃないとあり得なかったであろうカオス。
テレビのあり方も、ゲームやアニメ業界のアナログな部分も、元々Youtuberをバックアップしていた会社でさえも、物凄い速さで方針を変えざるを得なくなってきている模様。
テレ東・高橋氏の暴走ぶりに注目です。
リモート収録もなかなか大変なんだそうです。
「スタイリングとヘアメイクが自分でできて、配信の準備も一人でできて、変な照明が要らない女優さんやタレントさんが重宝されている」という話が面白かったw
Youtubeに参入する芸能人も多く、エンターテインメントの形がこれからはさらに多様化するのは必至でしょうね。
皆さん、「食らいついている」と言っていたのが印象的でした。
音楽もそうです。
コンサート会場やライブハウスが、営業できずに閉館してしまうニュースもたくさん観ました。オーケストラも自営できなくなる団体が増えるでしょう。悲しい。
一方で、Youtubeでプレミアライブを開催したり、自宅からの配信でファンとの距離を縮めたり・・媒体としてうまく活用するアーティストもたくさん出てきました。
前回の記事にもあげた通り、これからは"変化に対応できる能力"が問われていく時代。
あと1年したら、どんなことになってるのか・・・怖いけど面白いことになってきた。
そして、こちらは嬉しい事件。
Youtubeのおかげで、今までの枠にはまらない"いい感じにアバンギャルド"な音楽家が出てきました。他にもたくさんいるのですが、どうしても記録に残しておきたい3名だけご紹介させてください。
●熱く歌うワシ
最近日本を席巻しているらしい藤井風さん。
今日もYoutubeでパワフルなライブ配信をやっているのを見かけました。
動きが早すぎてサムネイルが凄いことになっていて面白かったです。
彼もYoutubeで育ったようなものであるのは周知の事実。
随分前からYoutubeで動画を挙げていたのは知っていたけれど、こちらがインドネシアに行っている間に、いつの間にやらデビューしていて驚きました。
人間味があって、いつも"ぎゅんっ"とすごい勢いで歌に感情がのる。
声が良い。
魅力の塊。
一人称はワシ。
売れるのは当然だと思えるカリスマ性。
いつも楽しそうに歌っていたので、どうかメディアに消費されないことを心から願うまでです。
●ひとりオーケストラ
2017年のグラミー賞を獲得したJacob Collierは、何でも演奏できて「全部俺」ができる稀有な存在。元々Youtubeでありえないほど高いレベルの動画を配信していて音楽レーベルの目に止まった音楽家です。
彼は、"天才"という言葉で片付けたくないほどの鋭い感性を自由にカタチにできる能力の持ち主。
メロディとコード進行のバランスのセンス・・心地の良い音だとか不安になる音だとか・・科学的に分析されている理論を計画的&感覚的に曲として組み立てられる技術力が並みじゃない。
うまく説明できない 笑
もちろんそれを支えているのは小さな頃から学び取り組んできた確かな演奏技術。
何より、楽しそうに音楽を奏でているのが伝わってくるのがとてもいいです。
音を楽しむ、それが一番。
いつも楽しそうで、
"人に何かを感じて欲しいなら、こういう風にしたら良いんだよ!"
と言ってくれているよう。
このインタビューが秀逸なので観てください。
Youtubeにアップしてくれてありがとう✨と言いたい。
この聞き手と編集が本当に優秀。
好奇心の塊のような純粋に音楽を愛する少年の中にいる、理論派の大人。
Jacob Collier、魅力的すぎる。
●新しいピアニスト
最後に、ピアニストの角野隼斗さん。
かてぃんさんという方が有名なのかな。
東大院生1年の時に、PTNAピアノコンペティション特級グランプリを獲得した実力派。
※筆者はコンクールを観に行ってました。演奏順が1番だったのでよく覚えています。しかもラフマニノフだったから・・高音がとても綺麗だった。
一方で、ゲーム音楽やポップスのアレンジをして演奏&編集も手掛ける人気Youtuberでもあります。
一昨年、Jacobを調べ漁っていた時にたまたま動画を見つけて「まさかグランプリのあの人?」と二度見しました。
演奏は1音1音の粒が揃っていて、指の独立がきちんとできているのがYoutubeを通してもわかるくらい綺麗。アレンジや即興の能力とセンスがずば抜けていて、短い曲でも高度な技術をサラリと入れて盛り上がりと締めを作ります。
最近ピアノ系Youtuberはたくさんいるのですが、ここまで聴かせる演奏をするのは彼くらいです。聴き入ってしまうので作業用BGMにできません。
彼もメンバーの一人として参加する東大発6人組"シティソウル"バンド、"Penthouse"も素晴らしいクオリティ。露出が多くなるのにさほど時間はかからないのではないかなと期待。
個人的には、この先がとても気になっています。
彼の演奏するクラシックもとても魅力的です。
PTNAでグランプリを取ってから、クラシックについてはもう少し学びたいという意欲もあるのではないかな・・と思う。
確かにクラシックのピアニストは、
"音大を出て、コンクールで入賞して、ヨーロッパに留学して研鑽を積んで、オーケストラとデビューコンサート"
という流れが一般的には王道なのかもしれない。
だけど、彼が今までに触れてきたゲーム音楽やジャズや、ポップスも、ドラムも全てが今を作っていることは変わらない事実。
そういう幅広さと引き出しの多さが、複雑さや深さになっていく。
頭の良い人だから、それが自分の個性で、唯一無二の音楽だという自信があるはず。
もしかしたらもう先を決めていて、何処かに旅立つ日も近いのかもしれない。
これから迷うことはたくさんあるだろうけれど、どこにいても、できれば何にも囚われず自分のしたい演奏をしていて欲しいなと願うばかりなのであります。
●何者にもなれる
取り上げた御三方は、まだ20代。
こんなに多才な音楽家が、ちゃんと早くに表舞台に立ってくれたことに感謝。
それは勿論本人に才能があって努力もし、自己プロデュース力に長けていたということは大前提ですが、Youtubeという媒体があったことも関係していると思います。
そしてYoutubeが彼らに合っていたということも、大事なポイントです
彼らはチャンスを引き寄せて、チャンスをものにした。
本当に凄いことだ✨
この先彼らがどんなことを吸収して変わっていくのかが楽しみで仕方ないです。
多様性が尊重される時代。
まだまだ何者にもなれるって、本当に素晴らしいことだ。
とね、筆者は感動しているのです。
使い方によっては恐ろしいものにもなるけど、芸術、ことに音楽に関しては良い媒体だ。
これからもどんどんホンモノが、自らの発信によって世に出てきて欲しいなと思います。
Youtubeって凄いわ。